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「自分ひとりくらい」のはずが・・・

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黒部川源流
/北アルプス鷲羽岳(2924m)山腹より2001夏





今日のヤフーニュースに、
約1ヶ月間ヒマラヤのマナスル峰(8163メートル)で清掃登山をしていた
登山家の野口健さんらが
ゴミ回収作業を終えたという記事があった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060524-00000010-yom-soci

ベースキャンプとして利用される4750m地点周辺で拾ったゴミ、
なんと約220kgもあったそうだ!
そのうちの3割が、どうやら日本のパーティーが持ち込んだであろうものらしい。
ゴミに印刷されている文字でわかるようだ。


ヒマラヤは世界各国の人たちがアタックしている山だと思っているが、
その中で日本のゴミが占める割合が3割という数字は
大きすぎやしないか?




野口健公式サイト「富士山から日本を変える:“ヒマラヤを清掃する意味”」に、
こんなメッセージがあった。
http://www.noguchi-ken.net/message/b_num/2006/6_0517_1.html

  今日もそのポイントの清掃を行ったが、目立っていたのが電池。
  清掃中、ふと視線を下の方にやると1000m下にあるサマ村が見えた。
  この氷河を汚染すればそのままサマ村の水を汚すことが実感としてよく分かった。
  そしてその水がカトマンズへと流れ国境を超え、
  インド、バングラディシュ、そして最後はインド洋に流れていく。

  つまりヒマラヤはまさしく水源地のスタート地点であるわけで、
  ヒマラヤを汚せばヒマラヤのみならず最終的には海まで汚染してしまう。 


その一端を、心無い日本人パーティーが担っていると思うと
かなり恥ずかしい話だ。




確かに、登山やアウトドアの時、ゴミは厄介だ。
特に熱い夏の盛りはすぐ匂ってくるし、
体力が消耗されていく中では、
ゴミすらも重たく感じてどこかに置いていきたくなる気持ちはわからなくもない。


つい、「自分ひとりくらい」と思ってしまいがちだが
そう思っているのは実は自分だけでない。

最近、高速道路のゴミ箱に、家庭ゴミが捨てられていることが多いらしい。
旅行に行く際に、管理組合などのルールが厳しすぎて、
出発前に捨てていけないなどという理由でもあるのだろうか?

コンビニのゴミ箱にも、家庭ゴミが捨てられているとも聞く。

たとえばの話、たいていの人が「自分ひとりくらい」と思っていたとしたら、
それは「たいていの人は・・・」になり、
つまりは捨てられるごみの量もそれに比例することになるということを
あらためて受け止めないといかんなーと思う。


「自分ひとりくらい・・・」と思ってやる行為も、
実は世界とつながっていて、
小さいながらも影響を与えているのかもしれないのだ。

それが、「自分ひとりでもいいから・・・」という思いからのよいことならば、
一人一人の力が集まって大きなよい力になっていくが、
悪いことならば、それもまた一つのダークパワーの塊となっていく。




自分の何気ない行いは、
この星をどういう未来に向けていく一端を担っているのだろうか・・・?





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*写真について

黒部川源流は、写真右手斜面から、左へと下りながら、前方へと大きくカーブし、
この後たくさんの支流と合流しながら、
あのパワフルな黒部川となっていく。

そこを訪れた時、
その最初の流れがあまりにも小さく、その小ささに感動した。

この一滴一滴のしずくが、やがて山をも削る川になり
それはまたさらに、人々にうるおいを与えながら、
海へと流れていくのだ・・・。

場所:ウォッ地図(国土地理院地図閲覧サービス:「三俣蓮華岳 [北東] 」
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?id=54374455
地図のちょうど真ん中あたり、
祖父岳、ワリモ岳、三俣蓮華岳に三方を囲まれたところが黒部川源流。

写真は、地図でいうところの源流東、2924と書かれた鷲羽山ピークと、
その南西、三俣山荘の間の稜線で撮ったもの。

http://www.shinmai.co.jp/kanko/yama/00009.html 
↑このページの稜線のどこかで立ち止まって撮りました。

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