人の中で自分に気づく
民間相談所でやらせていただいている、
「女性のためのよりよい人間関係ワークショップ」2006年上期が終わった。
半年間1クールで上期4回、下期4回、連続受講も単発受講も可能という、
毎回読みきり漫画のようで、なおかつ上期、下期にそれぞれの流れがある。
この上期から参加していた方にとっては、4回のまとめ、
去年の下期から参加していた方にとっては、全講座の総まとめの日だった。
上期から参加した方の中には、
もっと実践できるように後期も続けたいと言ってくださる方がでてきた。
昨年の下期からの参加の方は、
この一年間での自分が成長したことに気がつき、
また、それを今回のワークのメンバーからのフィードバックで気づかされたと語った。
今回の最終回に限らず、
グループワークならではの他者とのかかわりを通して自分自身への気づきを深め、
人はそれぞれ多様で違っていていいのだ、私は私でいいのだ
ということを実感していただけたなら
講座を担当させていただいた甲斐がある。
「人間関係は、人間関係の中でしか学べない」
と、私が長年学んできた先生はおっしゃる。
たとえ人間関係の本を読んでわかった気になっても、
実際にできるかどうかは別問題だ。
実際の人間関係の中で、
最初はもしかしたらいちいち考えながらしかできないかもしれないことも、
失敗や手ごたえを感じながら実践を積み重ねていくことで、
いつの間にか自然にできるようになっていく。
そのためには、様々なタイプの「他者の存在」が必要なのだ。
いろいろな個性があつまる人間関係ワークショップは、
グループワークならではの人間関係の体験学習の場だ。
この日は2つのワークを行った。
一つは、大切にしたい価値観についてのワーク。
大切にしたい価値観は、人それぞれ違うということ、
そしてまた、価値観を表す様々な言葉について
人はそれぞれに違うイメージを抱いているということ、
それらは語り合うことで相互理解が深まるということを、
ワークを通して実感していただいた。
わたしたちは日頃、言葉を使って
自分というものを他者に伝えたり、他者を理解している面があるが、
同じ言葉を使っていても、
実はその言葉に全然違う意味合いやイメージを抱いていることがある。
例えば、学校について話題にしようとした時、
学生時代がとても楽しく、勉強も面白かった人と、
残念ながら楽しくない思い出や、勉強に苦しんだ思い出がある人とでは、
「学校」という言葉を発している時に浮かんでいるイメージや感情は違う。
それは、言葉の表面だけの会話では捉えられないこともある。
その人の生きてきた人生そのものが、その言葉の背景にある。
大切にしたい価値観であるほど、
その人のそれまでの生き様が反映されていると考えてもいいだろう。
もう一つは、しめくくりとしてのプラスのフィードバックによるエール交換。
大人になると、特に日本の文化では「ほめられる」という経験が少なくなる。
残念なことだと私は思う。
他者からの承認・賞賛は、「心の栄養」だ。
心が元気になる栄養で満たされていると、やる気や自信も出てくるものだ。
ワークの最中のメンバーは、
フィードバックするほうもされるほうもいい表情。
その場がとても暖かな素敵な雰囲気で満たされていた。
「恥ずかしいぃ・・・」などと照れながらも、
また新たな気づきを得たこともあったようだ。
一連の講座でのワークを通して芽生えてきた新たな成長の芽は、
これからのそれぞれの暮らしの中で育んでいくことになろう。
参加した方々のこれからの人生に幸多かれと願うとともに、
下期にまた再会できるメンバーや新たに参加するであろう人たちと、
今度はどんなグループができていくのか、
どんなプロセスを体験できるのか、
どんな気づきや成長を得ることができるのか・・・
今から楽しみだ。
★「女性のためのよりよい人間関係ワークショップ」
http://ikeuchi.com/kazoku/ (東京家族ラボ)