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エコツーリズム・コーディネーター養成講座

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その地域では「あたりまえ」の生活文化や習慣も、
他の地域の人には、新鮮でワクワクして面白い体験なのだ!

左:ヤギ汁とお盆に食べる炊き込みご飯/2005年夏 波照間島
右:潮干狩り(しまんちゅ&旅先で出会った仲間達)/2006年夏 波照間島
 
 
 

2月22日~24日の3日間、全国各地から、
エコツーリズムという概念を理解し実践していきたいと考えている人たちが集まった。

すでに第一線でガイドやコーディネーターとして活躍している人から、
これからの人、興味を持って学びたい人など、様々だ。
 

幅広い盛りだくさんの内容は、まだまだ消化しきれていないところもあるが、
非常に勉強になった。
 

 
 
講義でいろいろな話を聞いて感じたことは、
「エコツーリズム」について話し合う時に、
その対話に参加する者同士の間で共通の前提を持たないと、
平行線をたどったり対立するばかりになる危険性がある、ということだ。
 
 
 
たとえば、 
●「エコツーリズムとは何か?」の共有。

この言葉には、
概念・理念・考え方のレベルから、実際の実践方法まで幅広く含まれている。
また、かかわっている人たちがどういう業界や立場の人かで、
定義が様々なのが現状のようだ。

賛成だ、反対だという前に、
今言っているエコツーリズムは、「考え方」なのか「具体的な方法」なのか、
誰のどういう立場からの意味合いなのか、
また、今はどういう風な定義を前提としているのかを共有しないと、
話し合いにならないだろう。
 
   参考:「エコツーリズムとは」 日本エコツーリズム協会(JES)
        http://www.ecotourism.gr.jp/ecotour.html
  
 
●「資源」とは何かの確認

エコツーリズムで言う資源は、自然環境や野生生物だけでない。
地域の歴史、伝統文化、生活文化、
農産物、人々の暮らしの知恵、地域の人そのものなども含まれる。

「資源の活用」といった時、それらの「何」を指して言っているかによって、
それが相手が考えている資源と違っていたら、
「資源」という言葉を使っていても会話は成り立たない。
 
「私の今言っている資源とは、○○のことで」という前置きがあるだけで、
相互理解のあり方が違ってくる気がした。
 
たとえ、互いに異なった意見であっても、だ。
資源のとらえ方にどういう違いがあるかが、明確になるだろう。
 
  
●地域(フィールド)の特性によって違うアプローチがあることの確認

その地域またはフィールドの自然度によって、
3つの類型に分けられていることを知った。

さらに、それぞれで違った取り組みが必要であろうことを理解した。

1)豊かな自然を資源とする地域

   協定やルール作成などにより、
   今の自然環境の保存・保全・保護といったことへの取り組みが必要となる。

2)多くの来訪者が訪れる観光地

   自然的環境の復元や創出。管理など。

3)里地里山の身近な自然、地域の産業や生活文化を資源として活用する地域

   人の手の入った二次的自然の保全、維持や復元、管理など。
 
 
そして、エコツーリズムの実践をしようとしている地域が、
これらのどの類型の特性を持つか、
また、何を資源としてみなしているのかを共有しておかないと、
その地域にからむ様々な立場の人たちの利害関係が先にたち、
保護派と活用派に分裂し、話し合いが泥沼化しそうな気がした。
 
 
 
現在、エコツーリズムについて、
様々なところで様々な話し合いがなされているようだが、
はたして、どういう土俵の上でなされているのだろうか、
気になるところだ。
 
  
  
ところで、エコツアーというと、
よく海外の雄大な自然の中を行くような旅のイメージや、
国内だと自然の中で活動する(時に環境に無頓着に)旅のイメージがあるようだが、
日本では、単に自然環境と絡めた観光やツアーでなく、
その地域にまつわる歴史や、
培われてきた人々の生活の知恵や伝統文化に触れることも含めた方が
現実的だろうということも、講義で聞いた。

私が、エコツーリズム・コーディネーターの講座に参加したきっかけは、
そういう「なつかしさのある心の故郷」のような地域へ旅をし、
旅人の立場からではあるが、
それを守りたい、そのよさを発揮してもらいたいと思う体験をし、
その地域に私なりに貢献できることがないかと思ったからだ。
 
私自身は、実を言うと環境や観光の専門家ではない。
また、地域の未来に対してどういう選択をするかは、
その地域の人たちの問題だ。
 
それでも、選択肢の一つとして、
現在このような考え方や実践方法もあると
参考にしてもらうことは、無駄にはならないと思っている。
 
環境破壊や、利権にまみれた地域特性に合わない開発のためでなく、
そういうものから守りたいからこそ、
地域の人たち自身に、
エコツーリズムという考え方・実践方法があることを知ってもらいたいと、
今の私は考えている。


 

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