心の原風景(2)
ここでの生活そのものが
学びであり
生きる力の素となる・・・
/麦っ子畑保育園
: 2007年夏 神奈川県
翌朝、あわただしく4名が保育園に向かう。
MSちゃんやお姉ちゃん、仲間の1人は出勤だ。
見学ツアー参加者は、当日合流の仲間も合わせて、8名。
保育園で三々五々仲間も集まり、再会を喜び合う。
このツアー、仲間の1人がその保育園の先生で、
昨年からいろいろ園の話を聞くたびに、
多くのメンバーが関心を持って「遊びに行きたい!」と言っていたのが、
同窓会も兼ねてやっと実現したのだ。
麦っ子畑保育園 http://www.mugikko.org/
行ってみると、古い平屋の民家で、まるで沖縄の昔ながらの民家のように、
障子もふすまも、ガラスも網戸も何もない。
縁側にはひょうたんの棚が涼しげな日陰を作っていて、
なんとも懐かしい雰囲気なのだ。
その内外で、子ども達が元気いっぱい遊んでいた。
「自然流育児」をモットーに、いわゆるお勉強はなく、
絵本の読み聞かせ時間を除けば、
思いっきり遊んだり、年長になると掃除、動物飼育、年下の子の世話など(びっくり!!)で
一日のスケジュールがゆったりと組まれていた。
0歳から未就学児まで、そしてこの日は学童の子どもたちまで、
年齢を超えた子ども達同士のかかわりが日常にあった。
障がいを持った子どもも同じように受け入れ、
子ども達同士も分け隔てなく一緒に遊びんでいる。
彼らなりに、サポートもしている。
また、年上の子が年下の子の面倒を当たり前のようにみている。
子どもたちは社会性をしっかり身に付けているような感じがした。
思いっきり遊び、みんな野生児のようで、あちこちで泣き声がたえなかったりもするが、
一方で、先生の話を聞くときなどは集中力がすごくあり、驚く。
先生方が声を荒立てることはめったとない。
話をするときなど、むしろ小さめかもしれない。
子ども達はその声を正座しながら身を乗り出して聞こうとしていた。
食事時間は、2歳児の子達と一緒に。
2歳という年齢をあまりイメージできないでいたが、
子ども同士会話が成り立つし、私にもいろいろ話しかけてくれた。
「おかわりする時は、並んで“おかわり下さい”って言うんだよ」とか、
「ごちそう様の後は、大人は台所に(食器を)持って行くんだよ」と
彼らに園のルールを教えてもらった。
そんな彼らは、配膳台の下の食器置き場に、箸・皿・コップを
ちゃーんと分けて積み重ねるのだ!
食事は無添加無農薬の食材、アレルギー用も用意して、
心身ともに健やかに育ちそうな雰囲気。
学童の子ども達も、この園の卒園生のようだ。
学童と園の子ども達が一緒に遊ぶ時間帯には、
みんな入り乱れている印象。
園の建物が民家というのもあり、
「ここは大きな家族だなー」という感想を持った。
いわゆる「お勉強」なんかよりももっともっと大切なことを
たくさん体験し、学んでいる子ども達・・・
ここでの体験は、子ども達にとって心の原風景になるだろう。
この子達が大人になるまで、今の感性を失ってほしくないなーと強く思った。
貴重な体験をさせていただいた。
「人間って何だろう?」「生きるのに大切なことって何だろう?」
・・・今日の体験をつきつめていけば、そんな問いまでたどり着きそうだ。
大勢での見学を許可してくださった園長さん、
間に入ってコーディネートしてくれたMっちょには、
本当に感謝です。ありがとうございました。